8.29 第一回シンポジウム「考えるヨシー未利用資源の活用」を開催します。
3.1 NHKの「ウィークエンド関西」の淀川の旅シリーズで取材されました。
2.2~3 鵜殿ヨシ原のヨシ刈り&収穫作業
1.19 日本新聞インキ株式会社がヨシ繊維事業をスタートされました。
2024.1.15 鵜殿ヨシ刈りボランティア募集と社団法人のご案内
一般社団法人ヨシオープンイノベーション協議会は、ヨシと河川に纏わる産業・文化・自然・歴史などを介して
日本の河川に自生する植物であるヨシを活用し、ヨシのブランド化を共に推進することで、地域の活性化を図るために設立された社団法人です。
ヨシ、それは日本のスーパー植物
環境をまもるヨシ、文化をまもるヨシ。二刀流、三刀流のスーパー植物。
紙や糸や繊維として、産業にイノベーションを起こそうとしているだけでなく、ヨシはもともと優れたチカラを持っています。光合成により空気中の二酸化炭素を吸収、酸素を生成して地球温暖化を防ぐだけでなく、土中や水中の窒素やリンを吸い上げて成長するため、水質浄化の作用もあるヨシ。河川敷を侵食から守り歴史的景観を維持したり、生態系を保全したりする役割もあります。
ヨシの新たな活用方法をさがして
現在までの活動から地域ブランドの創出のお手伝いを行います。
当法人の正会員でもある株式会社アトリエMayは大阪府枚方市にて「ヨシをヨシとする商品計画」をテーマにヨシの製品化に長年取り組んでいます。従来はヨシ紙を照明にしたり、文具としてデザインする等商品企画をメインとしておりましたが、現在はヨシを繊維化する自社工場を設立し、ヨシそのものを環境負荷の少ない方法で繊維化に成功しています。ヨシを加工した商品は他にも存在しますが、特徴としては抗菌性や消臭効果がヨシ繊維そのものから認められており、ヨシ繊維の混合率を30%以上とすると糸や紙になった場合にも抗菌性が認められています
北大阪商工会議所の支援を受け、「世界初のヨシ糸が地域を紡ぐプロジェクト」としてクラウドファンディングを行い、地元企業の皆様と共にヨシ製品の地域ブランド化なども行っています。
日本古来から続くヨシの文化を個社として取り組むだけでは、限界があり「地域の水辺の創造」を目指すためには様々な地域で新たな製品・繊維工場が生まれ日本のヨシ文化がより一層広がっていくことを願いこの法人を立ち上げました。
ヨシをオープンイノベーションする意義
古事記や日本書紀に日本の国の美称として「豊葦原之瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)」との表現が残されているが、これは「葦がしげり、稲穂がみずみずしく育って豊かな国」という意味である。かかる表現に象徴されるようにヨシ(葦)と人々の暮らしとのつながりは古より連綿として続いているものであり、かつ日本という国の名称としても用いられるほどそのつながりは深いものである。
ヨシには春に新芽を出し、秋に穂が出て、冬には立ち枯れ、ヨシ焼きをして、また新芽を出すという1年のサイクルがあり、ヨシの生育の為には毎年このヨシ刈りやヨシ焼きを実施する必要がある。
このヨシの性質に着目すると、ヨシ湿地帯に多く生息するヨシは、土中・水中から多くのチッソ、リン等を吸い上げて大きく成長するため、河川の水質浄化し、空気中の二酸化炭素を吸収し光合成による酸素の生成を行っており、地球温暖化を防ぐ役割が期待される。ヨシ原には多様な生物が生息しており、ヨシ原の保全は自然の環境保全に繋がっていくものである。
一方文化面においては、淀川最大のヨシ原である鵜殿ヨシ原は、雅楽の管楽器である「篳篥」のリードに最適であるとされ、日本文化の保全という面においてもヨシ原の保全は必須である。
すなわちヨシ原を守ることは、自然と文化を守ることに繋がっていく重要な取り組みであるといえる。
しかし現状においてヨシ原を守ることは容易ではない。かつては葦簀や簾等の地場産業が盛んであり、人々の暮らしを支える企業な資源であったが近年ではヨシ製品の需要の減少及び海外の安価な輸入品の存在により、ヨシ関連の地場産業の衰退が著しく、ヨシ原の管理が十分に行われなくなりヨシの生育にも影響が出ている状況である。
したがってヨシ原と河川の自然体系を守るためにはヨシを原材料とする時代に即した持続可能な事業を構築し、ヨシの経済価値を創造することが必要であると考えられる。
そして上記事業展開にあたってはヨシという資源の有効活用により自然と文化を守るという理念を実現するため、特定の企業による技術の独占を許すことなく、人類共通の課題を実現する理念のもとで集まった志あるものによるヨシにかかる技術のオープンイノベーションが必須となる。