一般社団法人ヨシオープンイノベーション協議会は、昔そうであったようにヨシを環境や暮らしや文化などから研鑽することを目的に設立されました。例えば全国のヨシ原の中でも淀川水系最大のヨシ原「鵜殿ヨシ原」は、平安時代から雅楽の篳篥(ひちりき)のリードに使用されており水質浄化とともに日本の伝統文化を支えています。地元の保存会やボランティア団体等がヨシを刈取り有効活用しながら、ヨシ原を守って来たのです。また近年ではヨシを産業資材とした地場産業が衰退。地球温暖化の影響もあって、ヨシの生育が悪くなっています。そこで、当協議会では毎年ヨシの刈取りを実施。そうした成果報告も兼ねて、協議会の活動を広く周知し、さらに輪を拡げていくために、昨年第一回のシンポジウムを開催し、好評を得ました。今年も「ヨシの魅力」を発信して行きたいと思いますので、ご参加をお待ちしております。
【開催概要】
日 時:2025年10月8日(水)11:00~15:00
第一部 11:00~12:30(有料:税込2,000円※お弁当付)
第二部 13:00~15:00(無料)
会 場:枚方市総合文化芸術センター1階ひらしんイベントホール
【第一部について】
篳篥演奏会と交流会(参加費2,000円※弁当付)
登壇者紹介
篳篥演奏
深親 亮介氏
(篳篥奏者)
1985年生まれ。浄土真宗本願寺派 僧侶。ユネスコ世界無形文化遺産にも登録されている日本の伝統芸能「雅楽」を通して篳篥と出会う。現在は、J-POPや洋楽、抒情歌やクラシックなど、幅広い音楽ジャンルへの挑戦や、ピアノやギター、シンセサイザー、パイプオルガンなど、様々な楽器との共演も果たしている。これまでに、寺社仏閣でのコンサートはもちろん、イベントホールやカフェ、ライブハウスなどにおいても演奏公演を行い、「身近でない雅楽や篳篥」を、「身近な場所と音楽」を通して、その音色を伝えている。
「鵜殿のヨシについて」
小山 弘道氏
(植物生態学研究者・協議会顧問)
大阪市立大学の研究者、専門は植物生態学。大阪市立大学理学部附属植物園にて研究を行う。 1975年より2020年頃まで鵜殿のヨシ原の自然環境の調査、研究、保全活動を行う。2001年~鵜殿ヨシ原の自然と生き物の保全を目的とし、鵜殿ヨシ原研究所を設立。自然や生き物の調査研究をおよそ50年にわたり調査研究を実施。2011年にその活動の集大成ともいえる「鵜殿を遊ぶ~夢・水辺を創る」40年目の記録を制作。これまでの主な活動として、国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所淀川環境委員、高槻市緑地環境保全等専門相談員があり、2023年には、西日本高速道路(株)関西支社より、新名神高速道路建設事業の「鵜殿ヨシ原の環境保全」に関する検討会委員として感謝状が贈られる。
「鵜殿のヨシについて」
鈴木 治夫氏
(雅楽協議会 代表・協議会顧問)
25歳の頃より雅楽の楽器の鳳笙の製作と演奏を続け、現在は鳳笙の製作のすべての工程を一人で手掛ける。元日本雅楽会副理事長として国立劇場や、各学校での演奏会、また海外公演も17か国で開催する。2005年からは雅楽協議会の結成に参与し世話人、情報紙「雅楽だより」(季刊)の編集責任者として発行を続けている。元東京芸術大学非常勤講師。2021年秋に篳篥の蘆舌用のヨシの全滅を知りそのヨシの再生に取り組み始め、2022年、3800㎡のエリアを、2023年は7000㎡エリアの「つる草抜き」を多くの方々と共に行っている。1946年生。
【第二部について】
第二回ヨシのシンポジウム(参加費無料)
登壇者紹介
「魚の産卵場所としての琵琶湖ヨシ帯」
馬渕 浩司氏
(国立研究開発法人国立環境研究所 生物多様性領域 琵琶湖分室 室長)
2017年4月の分室開設の4年前(2013年)から、琵琶湖岸とその周辺でコイ・フナ・ホンモロコ類の産卵調査を行なっている。湖岸や水路で産着卵を採集して一卵ずつDNA種判別することにより、魚種ごとに主な産卵場所が異なることなどを解明中。2016年までは東京大学大気海洋研究所の助教として魚類の分子系統学の研究を行う。2009年に日本魚類学会 奨励賞を受賞。受賞講演のタイトルは「分子系統解析による東アジア魚類相形成史への新たな問題提起:ササノハベラ属と在来コイの研究から」。
「ヨシ資源から創造する湿地都市プライド」
長谷川 隆氏
(特定非営利活動法人新潟水辺の会 理事 映像制作業 シング 代表)
新潟県新発田市出身。1989年から新潟県内の市町村PRビデオや地元テレビ局の番組制作などに従事。新潟水辺の会初代代表・大熊孝新潟大学名誉教授を取材したことで当会と出会う。新潟市がラムサール条約国際湿地都市に認定されたのをきっかけに、2024年から新潟市里潟ガイド育成講座を受託運営。インタープリテーションの手法を取り入れた新潟ならではの里潟ガイドをめざす。アトリエMay塩田社長との出会いから、潟由来の資源であるヨシから糸を作り、伝統的な織物「亀田縞」の生地に成形、新たな新潟ブランドの商品を生み出そうと企画中。
「世界初!ヨシを活用したファイバー舗装『よしラグ』」
勝又 洋氏
(大成建設株式会社 設計本部 建築設計第六部 設計室 一級建築士)
1983年 神奈川県生まれ 2007年 大成建設株式会社 設計本部に入社。2024年 中野製薬製造草津工場を設計。「美」を追い求め「水」とともに生きることを目指した、地域ブランディングに貢献し、自然環境に寄り添う建築である。琵琶湖周辺で長く愛用されてきた葦簀をモチーフに、強い陽射しを遮断しながら心地よく風を通す機能を持たせた「美」を象徴する環境装置「YOSHIZU SKIN」が木漏れ日空間を創出する。大阪・関西万博EXPOアリーナ物販棟「うみクル」を設計。海洋プラスチックごみを外装材にアップサイクルした建築であり、床面は葦チップの舗装で仕上げた。地産地消で川の環境を保全することを目的とし、大阪の淀川に群生する鵜殿のヨシ原から原材料を調達し、舗装への適用を研究開発した。葦の鮮やかな暖色が建築を引立て、ふかふかした感触が訪れる人に安らぎを与える。
「大阪ヘルスケアパビリオンにおけるヨシのインテリア」
武藤 優哉氏
(株式会社東畑建築事務所 設計室 技師)
1992年 京都府生まれ
2017年 京都工芸繊維大学大学院建築学専攻修了
同年 東畑建築事務所 入社
現在 東畑建築事務所設計室技師
趣味:折り紙
【当日について】
・受付開始は開始30分前を予定しております。
・第一部ご参加の方は受付にて現金でお支払いをお願いします。
・第二部のみご参加の方も出欠確認のため受付をお願いします。
・会場に無料の駐車場はございませんので、公共交通機関の利用をお勧めします。
【お問合せ】
一般社団法人ヨシオープンイノベーション協議会
事務局:yoshi@yoshi-open-innovation.org
皆様のご参加をお待ち申し上げております。